お子様にとって、睡眠は脳の発達にも影響し、安定した生活を整える上でも重要となります。なので、しっかりと取ってほしいと思いますよね。また、お子様の寝ている間に保護者の方も家事の時間に当てたり、自分の時間を作りリフレッシュする時間に当てたいと考えますよね!
ですが、その睡眠に問題を抱えていたら・・・。
発達でこぼこのお子様の中には、「寝かしつけてもなかなか寝てくれない」「寝かしつけに何時間もかかる」「寝てもすぐに目覚めてしまう」等、睡眠について悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
保育園でも、お昼寝の時間になると、眠れない発達でこぼこのお子様がいましたが、なかなかどう対処していいのかとあれこれ試行錯誤したものです。
1歳児で入園してきてすぐにSくんのお母さんからこんな事を言われました。
「前に一時保育で預けていたのですが、『お昼寝できないので預かれません』と言われて仕事は昼までにしていたんですが、入園してもやはりお昼寝できないと預かれませんか?」と。
長く保育園での勤務をしていて、そんな事を言った事も思った事もなかったので、唖然としました。
「預かれない」は決してない事を伝えた上で、まだ入園したばかりという事もありましたし、発達に気になる事もあったので、様子を見ながら進めるという形でこちらも対応していくという事にしました。
日中の設定保育の時間は、戸外ではよく動き回り遊んでいました。しかし、手を繋げない、体力もない事で、公園までの道のりは保育士1人が付きっきりでも大変な様子でした。できるだけ、しっかりと身体を動かして睡眠につなげられるようにしてみましたが・・・どんなに疲れていてウトウトなっても布団に入ると目をキラキラさせてゴソゴソと動き、保育士がそばから離れると寝ている他の子たちに近づき起こそうとします。
しばらく様子を見ていましたが、環境に慣れていないは関係なく、「お昼寝はできない」状態でした。
自宅でのお昼寝は出来るというので、どうしているのか確認すると、大きくなったSくんを赤ちゃんのように横抱きで抱え揺らして寝かすというのです!しかしそれで眠るのも10分程度・・・
園でも、私がお昼寝の時間になると、他の刺激が入らないように何もない廊下に出て、横抱きで長いときは1時間揺らし続けました。寝ない日もあります。寝てもやはり10分ほど。
身体も大きくなり、さすがにこれを続けるわけにはいかないと、添い寝をしてみたり、仕切りを置いてみたり運動用の折り畳みマットなどで小さな空間を作りSくん用いろいろ試しましたが、他の子たちと一緒の空間でお昼寝をするというのは難しいと思いました。
狭い保育園であり、別の部屋を提供できるわけではなかったので、やわらかい折り畳みの出来るマットを組み合わせて四角い小さな部屋を作ってそこで過ごせるようにしました。
最終的に自由に過ごせる場所を確保する事がSくんにとってはよいのではないかと考えるようになりました。それは、夜の就寝が「電池が切れたように寝ている」と聞いたからです。
朝早くから登園し、日中毎日のように公園で遊び、たくさんご飯も食べ、眠くなってもおかしくない状況をずっとご機嫌で遊び続け、夜は1日の疲れでばたんと倒れるように眠る・・・
その生活ができるのなら、Sくんにとってはお昼寝の時間はなくてもいいと思いました。また、お母さんにとってもその方が少しでも負担が減ると。
その後は、お昼寝の時間狭い空間でじっとさせているのもどうかと思い、保護者の方と相談し、2歳になったSくんは午後から療育の施設に行くことが決まりました。
園でもなんとか寝られるようになってほしいと試行錯誤しましたが、睡眠障害をどうにかして治せるものではないのだと思いました。そして、無理やりに寝かせられて嫌な思いをすれば、嫌な経験としてしかお子様には残りません。逆効果なのかもしれません。
まずは、日ごろの習慣を確認する事です。よくあるのが、「夕方少し寝てしまった・・・」です。
お昼寝をしないで、ご飯の準備の間に寝てしまって夜寝られない・・・そりゃ寝ませんよ!!
そうした生活のリズムを整えるのも大切ですし、過敏やこだわり等の特性もあり、気になったり興奮してしまったりで眠れない事もあります。整えた上で、就寝の合図や決め事を習慣にしてみるのもいいかもしれません。(寝る前は絵本を読む、真っ暗にする、大人も一緒に寝る等)
それも試したけど・・・という方もいるでしょう。そうなれば、お子様に合わせてそっと見守っていたらどうでしょう?睡眠時間にこだわらず、お子様に合わせてみると、お子様も保護者の方もストレスなく過ごせて返ってよい環境になるかもしれません。
何より大事なのは「こうした方がいい」を一般的な考えではなく、お子様にとっていい方法を見つけてあげる事だと思います。そしてそれが保護者の方の気持ちの軽減にもなれば尚良い事です。
お困りの方は、相談してみてくださいね。一緒にお子様にとっていい方法を探しましょう!