例えば、好き嫌いが激しくて食べられるものが極端に少ないお子様、いらっしゃいませんか?
じっとしていられなくて、ストップが効かず、すぐに動き出してしまうお子様、いらっしゃいませんか?
手指を上手く使ってご飯を食べられなかったり、手についたものを以上に嫌がったりするお子様、いらっしゃいませんか?
「もう、なんでなの!」と言いたくなるような『わがまま』だと悩んでいる保護者の方いらっしゃるかもしれません。もしかすると、それは『わがまま』ではなくお子様の『困りごと』かもしれません・・・。それは、感覚統合のつまづきかもしれません。
感覚・・・光や音、たくさんの刺激が身体に加わっていることを感じる働き。
人間の感覚には
・視覚・嗅覚・聴覚・味覚・触覚
・固有受容覚、固有感覚(手足の状態・筋肉の伸び縮みや関節の動きを感じる感覚)
・前庭覚、バランス感覚(身体の動きや傾き・スピードを感じる感覚)
といった7つの感覚があります。
(感覚は人それぞれ、感じ方の強弱や程度に差があり、すべての感覚は一人ひとり違ってきます。)
感覚統合・・・生活の中で、さまざまな感覚器官に入ってくる、この七つの感覚を分類したり整理したりする。
その働きによって➡
・その場その場に応じた感覚の調整や注意の向け方ができるようになる。
・自分の身体を把握する。
・道具を使いこなす。
・周囲の状況の把握とそれにふまえた行動ができるようになる。(人とコミュニケーションをとる)
このように、子どもは感覚統合を繰り返して成長していきます。発達段階に応じ、物事にはできるようになるにはさまざまなステップがあり一定の順序があります。
例えば・・・『テーブルで食事ができるようになる』
①きちんとした姿勢で一定時間座ることができる。
(バランスを調整する前庭覚・筋肉の動きを感じ取る固有感受容覚)
②手づかみ→スプーン→お皿を持ってお箸を使うことができる。
(手指の末端の動きが発達する)
このようにして最終的な目標ができるようになります。
上手くいかない気になる行動があったときは、発達のステップを一段階降って見直してみてください。
このように、子どもは積み木を重ねるように発達の段階を踏んでいきます。ですが、多少順序が入れ替わっても進むことはでき、順調に成長していると思われているのです。
その土台となる部分にゆがみや傾き、抜けていたら、どうでしょうか?
この後に乗せていく積み木は不安定で重ねることが難しくないですか?
今、起きている困った行動は、実はもっと前に達成されるべき段階で土台部分に原因がある可能性があるのです。
感覚統合に問題がある場合、さまざまな活動において上手くいかないことも多くなります。感覚統合が上手くできていないということを理解していない周囲からは「勝手」「わがまま」「怠けている」という見方をされてしまい、お子様自身の自信を失わせる事になります。
自閉症のお子様の多くは、協調運動の問題や感覚刺激に対する反応異常が見られることが報告されています。このように何らかの形で運動や感覚に課題を抱える子どもへ適切な“感覚統合”を促すことも一つの解決手段になります。
お家ではなかなか難しい事も多いと思います。ここではお子様一人ひとりの成長に合った適切な活動を行い、困りごとを少しでも楽しめる活動へと繋げる取り組みを保護者の方と共に行っていきます。
まずは、相談してみてください。