表情を見ていても、う~ん・・・どう思っているのかをわからない、どう関わってあげたらいいの!
そんな風に感じたことありませんか?
自閉症の特性を持つお子様や発達障害のお子様は、感情表現が苦手なことが多く、何を感じているか、周囲の人にはわかりにくいことがあります。
喜怒哀楽がわかりにくいため、働きかけが難しかったり、お友達同士のコミュニケーションがうまくいかなかったりすることもあります。
<見ることの苦手さ>
- 人の顔を見たり、目線を合わせるのが苦手
- 顔を見る体験やコミュニケーションを取る手段としての経験が少ない
- 顔を見たとしても部分的にしか見ておらず、表情全体を捉えるのが苦手
<考えることの苦手さ>
- 目に見える表情と目に見えない感情を想像し結びつけるのが苦手
- 表情の変化を受け取り、意味するものを判断するのが難しい
- 感情の呼び方を覚えるのが苦手(複雑な感情は理解しにくい)
<心身の活動の苦手さ>
- 場面に合った自分の感情を認識するのが苦手
- 表情を作る筋肉をうまく動かせなくて、表情を作るのが苦手
苦手な理由から、自分の感情表現が苦手なだけでなく、相手の表情や気持ちを読み取るのが苦手な事もわかります。その為、お友だちや周囲の人とのコミュニケーションを取ることも難しくしています。
◎顔を見る習慣をつける
小さい頃からなかなか目線が合わない、どこ見てるの?ということもあると思いますが、人の顔は不快なものではない、という安心感を育むために、お子様と一緒に遊んだり、抱っこしたりしながら、その子にとって心地よい体験の中で大人と視線を交わす経験を積み重ねましょう。
◎表情と感情の呼び方を教える
集中して見られない事もあると思いますが、少しずつ表情のわかる絵本や絵カードを見ながら表情と感情の呼び方を結び付けて教えてあげましょう。
例えば、笑顔の絵カードを見ながら「うれしい」、泣いている絵カードを見ながら「かなしい」など。
◎自分の感情を認識させる
お子様がその感情を味わっているであろう瞬間に、「悔しいね」などと声かけし、自分の心の動きが「悔しい」と呼ばれる感情であることを伝えるようにしましょう。
自分が感じている感情をカード等で選択する方法で思いを伝えられるようにするのもよいでしょう。
◎様々な感情を体験させる
気持ちを落ち着けて過ごせるようにする事が多いと思いますが、自分で感情を味わってみなければ、その感情を理解することなどできません。
感情は体験を通して心が揺れることから生まれます。お子様の状況に合わせて、いろいろな人に会い、様々な経験を積める機会を作りことも大切です。
◎表情や身振りの表現方法を知る
言葉で上手く伝えられないお子様もいます。表情や身振りは直感的に感情を伝えられる手段となります。しかし、感情表現とは、その人の心からの思いが自然にあふれ出てくるものなので、無理にできるようするものではありません。
仮に表情や声音で感情を表現することができなくても、目で語り合うような、直感的な瞬時のやりとりはできないかもしれませんが、丁寧に時間をかければ、自分の気持ちを伝え合うことはできるようになります。
自閉症の特性を持つお子様や、発達障害のお子様は、感情表現が苦手かもしれませんが、感情を持っていないわけではありません。
表に出ないだけで、心の中には豊かな内面の世界が広がっています。
周りの大人はその豊かさを信頼し、お子様の感じ方に寄り添いながら、これから広がる世界を見守っていけるといいですね!