原因は「音が苦手」だったから!

保育園での子ども同士のトラブルでこんなことがありました。

2人はどちらも、発達が気になるお友だち同士。

1人はおとなしい性格でのんびり屋さん、もう1人は大きな声を出したり、動きが活発です。

ある日、そのおとなしい性格の子が突然そのもう1人の子を嚙んだのです!

何もないのに突然噛んだことをその時、園の先生は注意されたそうです。ですが、日ごろのお子様の様子を聞いていると、あることがわかりました。

おとなしい性格なので、気がついていなかったのですが、そのお子様はそのお友だちの大きな声が苦手だったのです・・・そして、大きな声を出していたお子様も、自分の不快な音をかき消そうと大きな声を出していたのです!

自閉症などの発達障害を持ったお子様は特定の音を嫌がる場合があるのです!


街の中など発達障害の人が人ごみの中で耳を抑えたり、パニックになって泣き出してしまったりと言う事はよくある光景見かけたことはありませんか?それは「音が苦手」が原因かもしれません。

なぜ、音が苦手なのでしょうか?また、対応はどうしたらいいよいのでしょうか?

自閉症や発達障害の特徴に感覚過敏(五感から受け取る刺激を過剰に強く感じてしまう状態) があります。その中の聴覚過敏により、「音が大きく聞こえてしまう」「音により、何かを連想させてしまう」「音により何かが起こるのではないかという不安」「様々な音が重なり合って聞こえて混乱する」「突発的な音でパニックになる」等、理由はそれぞれの感じ方や場面によって違ってきます。

苦手な音の種類は、車やバイクのエンジン音やクラクション、子どもの泣き声や人の大きな声、人ごみ等のざわざわした音、花火や雷等の大きな音等、周りの人が全く気がつかない程度の音でも、苦痛となり耳を押さえたりしてしまうこともあります。

「嫌な音をかき消そうと大きな声を出す」「泣きてしまう」「パニックになる」「耳を押さえる」等、人によって様々な症状が出てしまいます。

本人が嫌な音の原因をわかっていた場合は、「音の原因のものを止めたり壊したりする」「人や動物を攻撃して身近から追いやろうとする」等、最初にあげた事例のように原因となる物を排除しようとする行動をしたりします。

人ごみなどのざわざわした音が嫌いな場合には、人の多い場所に行きたがらなくなったり、外出や車に乗るのを嫌がる事につながる場合もあります。

基本的な対策方法としては、苦手な音から離れて音の聞こえない場所まで移動し落ち着かせることです。嫌がる音が決まっている場合には音の原因を止める、音量を下げる、音の発生源を遠ざけるなどが有効です。

◎チャイムやブザーの音を嫌がる場合

玄関のチャイムやお風呂のブザーの場合だと止めたりすることは難しい場合があります。
チャイムやブザーの場合には、具体的にチャイムやブザーの鳴る理由を繰り返し説明していきましょう。音が鳴ることでどうなる・何が起こるかを理解させると音を嫌がることが解消される場合があります。

※音が嫌いな場合ではなく、園などでチャイム音はお迎えの音と覚えており、違っていて泣いたりパニックになる事もあります。

◎突発的な音

突発的な音などは対処が難しいため、本人が落ち着けるように音の出る場所から離れるということや、落ち着いた後にと説明することも大事です。

◎イヤーマフや耳栓の使用

人ごみでざわざわした場所にいて落ち着けない時等、イヤーマフや耳栓をつけると苦手な音が軽減され、落ち着くことができるようになります。しかし、イヤーマフや耳栓に依存してしまうと音への対処ができなくなってしまうため、どうしてもの場合や、苦手な音が聞こえた場合につけるようにすると効果的です。

自閉症や障害をもつお子様だけに限らず、お子様がどのようなことで困っているのかを知ってあげることが何より大切なことです。

「音が苦手」な事を知っているだけで、お子様が困らずに過ごせることにも繋がります。また、守るだけでなく、自らで対処できるように働きかける事もできます。

お子様一人ひとり、困り事も、対応も違いますので、お悩みやお困りの方は一度、ご相談ください。

お子様に合った関わりを見つけてあげましょう。