変化や変更、苦手なその訳。

こんなことありませんか?

いつもと自分が閉めているカギをお母さんが閉めてしまったら癇癪を起した・・・

いつもと違うルートを自転車で通ったら大泣き!

こういった変化や変更が苦手で新しい物事や予期しない変化があると対応が出来ずパニックになったり固まって動けなくなってしまうと言うのは自閉症の大きな特徴でもあります。

※場合によっては「こだわり」としてもとらえる事が出来ます。

なぜ、自閉症の特性を持つお子様は変化や変更が苦手なのでしょう・・・?

①想像力が弱く、興味の範囲が狭い

わかりやすく言うと、「この後どうなるの」「どうしたらいいの」とその後を予想したり、急に状況が変化したことを理解するのが難しいのです。その為、不安や緊張を感じてしまい嫌がるのです。

逆に同じ行動を何度も繰り返す事が有ります。

常同行動や同一性保持といった特徴で同じ行動をとることで安心を得ていると考えられています。

コミュニケーション能力の困難

言葉の発達がゆっくりで、思いが言葉にできなかったり、正しい意味の会話ができず、何か物事の変化が起きても、周りの人に状況を確認したり、不安であることを伝えられないのです。

『こだわり』ともとれる行動の中には、こうした怖さや不安があったのです!

こんなこともありませんか?

初めての事や新しい事への挑戦等を大泣きして嫌がること・・・

それも、「知らない」「どうなるのかわからない」という怖さや不安があり、嫌がってしまうのです。

・物の位置

部屋の配置など、室内で物の位置が変わっていると心配になったり、元に戻そうとしたり無くなったものを探そうとしたりします。

・物の順番

絵本やおもちゃの並び順、自分の行動する順番。ミニカーやおもちゃを並べて楽しむ姿が見られますが、その並び順は、バラバラに見えて本人にしかない順番があるのです。

・行動の順番

毎日、自分が行っている行動や物の食べる順番など、人によって様々で、順番が崩れたり、変化してしまうとどうしたらよいか、わからなくなってしまいます。

・道順

いつも通う場所など行き慣れた道では道のりを覚えていて、定まっているので、迂回や変更するとどこに行くのかと不安になります。

・衣服

普段着慣れた服が小さくなったり、季節が変わって衣替えする等、身に着けるものや自分が使うものが変化するのを嫌がります。また変化だけでなく感覚の過敏から着心地や肌触りで嫌がる事もあります。

・食べ物

食べられるものが少なく、同じものしか食べない、温かいものが冷めると食べない、決まった店のこのメニューは食べる等受け入れられるものに偏りがあります。触感過敏で口当たりが好ましくない場合もあります。

・自分の位置

自分の座る席や遊ぶ場所、車や電車、バスの乗る位置などいつもと同じ決まった場所にこだわります。

人によって様々で、特定の時間だけにこだわる場合もあります。

・いつもと違う活動(行事など)

毎日同じ流れで生活していることから急な予定などで流れに変化があり、時間や場所、順番が変わると何をするのか予測できなくなります。

・環境の変化

引っ越しで家が変わる、進級や進学し、部屋や教室が変わる、クラスのお友だちや先生が変わるなど、物的や人的な変化で不安になります。

逆に変化しない物事には興味を持ったり好きになったりします。

「記号」「時刻表」「国旗」「ロゴマーク」「数字」「文字」「アルファベット」などがあります。

言葉の意味や日時・時間の概念の理解はしておらず、記号や形としての興味を持ち、強く記憶したりします。

①変更や予定を伝え、今後の見通しをつける。

物事の変更が発生!➡状況を説明し、「何が起こるか」「何をすればよいか」を伝え、納得してもらう。

そうすることで、今後の見通しを持つことができ、落ち着いて行動できるようになる。

・1日の流れの中で予定が変わるときは、朝の時点で伝えた上でタイミングを見計らいその都度何度か伝えるとより、状況の変化を理解しやすくなります。

・何日も前から決まっている予定等は、前もってカレンダーやスケジュールなどで日にちを確認したり、繰り返し伝えていくとよいです。

感覚や感じ方もそれぞれ違うので、その子に合った一番理解しやすい方法で伝えてあげるとよいです!

②状況の変化で困っていることを周りの人に伝える。

物事が変化して、どうしたらいいのか困ってしまった!➡困っていることを他人に伝える。

・困ったときに出せるサインや言葉などを覚える。

困ったときに伝える手段を知っていれば、状況を聞ける人や守ってもらえるとわかり、落ち着いて過ごすことができます。

③物事の変化に慣れさせる

物事の変化➡いろいろな変化を何度も繰り返し経験する。

最初は小さな物事の変化でもパニックになってしまいますが、何度も繰り返していくうちに、忍耐がつき、経験していく中で「こんな時はこうすればいい」と学んでいきます。

大きくなるにつれ、社会に出て様々な変化にぶつかっていきます。そんな時に困ったりパニックにならないように、物事の変化に慣れていくことも必要です。

自閉症の特性をもつお子様がこだわりがあり、こんな風に感じ、困っているということを理解してあげることが何より大切です。

そして、変化や変更の苦手なお子様が安心して過ごせるようにするだけでなく、これから社会に出た時に困らないよういろいろな経験も必要です。

しかし!!

わかっていても上手くいかない・・・、聞いたようにしたけど無理だった・・・

そんな保護者の皆様、私たちと一緒にお子様一人ひとりに合った方法を探していきませんか?

どんな些細なことでもご相談ください。