発達に大切な『遊び』。発達でこぼこのお子様は遊びを見つけるのが苦手って知ってますか?

おもちゃが目の前にあれば、子どもは手に取り、何もしなくても自分から遊び始めると何となく思ってしまっていませんか?

発達でこぼこのお子様は、過敏であったり、新しいものや場所が苦手だったりさまざまな特性から自ら遊びを見つけていくのが苦手なんです。

①おもちゃや活動(刺激)を「遊び」と認識する
②自分から働きかける
③働きかけによって起こった変化を理解する。(ボールを上から入れると下から出る等)
④その活動をコントロールをできている感覚を持つ(自分で始め、自分で終わる)

の4つが必要なのです。

なかなか遊びを見つけられないお子さんにはこのような4つを考えながらサポートしてあげましょう。

まずは、お子さんが「いつもどこにいる」「何見てる」「何してる」を観察してみてください。

すると、お子さんの好きなもの、興味があるもの心地よい場所などが見えてきます。

1歳児で入園後すぐに2歳になったYくん。早い段階から自閉症スペクトラムの傾向が強く見られていました。部屋ではまっすぐに並んでいるロッカーを横目で見ながら左右に往復して走り、おもちゃ等には一切興味を示すことはありませんでした。しかし、大きな体で猛ダッシュで往復するのはとても危険なので、他のお子様やYくん自身の怪我に繋がる行為なので止めるしかなく、毎回癇癪を起こしてしまっていました。

そのたび抱っこで窓から外を見せていました。窓からは車の行き来が見える道路が近くにある為、動いている車を目で追い、少しずつ落ち着いていきました。そこから窓をのぞく事がYくんに増えました。

そこから車のおもちゃはどうだろうか等いろいろ試してみましたが、ポイっと投げられるばかり・・・

もう少し、Yくんの「好きなもの」「見ているもの」を観察してみようと考えました。

園の生活に少しずつ慣れてきたころから、投げるばかりだったおもちゃでしたが、唯一手に持っていたものがありました。ブロックでした。でも、それは「緑色」限定!

そこに気づき、他の「緑色」のおもちゃを手渡してみると、手に持つだけですが、離すことなく持っていました。そこから、緑色のおもちゃなどを使用して働きかけていくことにしました。

①こすり合わせたりして音を鳴らしてみると、音が出るのは嫌だったようでした。

②並べてみるとすぐ、手で払いのけてしまいますが、少しずつ横に置いてみたりし始めました。

そこからは、積み上げたり、井形ブロックを突き刺すなどの遊びに発展し、少しずつ遊びが広がりました。何より好きになったのは、ミルク缶を使った棒落としでした。緑色の棒を穴に入れるのは、集中して楽しめるようでした。

棒は蓋を開けると中に入っているので、そこから出して遊ぶのですが、初めのうちは「遊ぶの?開けるね!」とこちらからの声かけと共に開けていましたが、これを開けると遊べるがわかるようになり、大人の手を持ち、蓋を開けてというように蓋を持たせようとする姿が出てきました。

しばらく遊ぶとポイっと転がすようになったので、これが「もう終わり」なのだと思いました。それは終わり方としてよくないので、大人に渡して終われるようには投げる前に「もうおしまい?」と手を出して受け取るようにしました。

始めはただ手に持つだけの関わりから、大人が一緒に働きかける事で好きな「遊び」を見つける事が出来、変化の理解もできるようになり、更に遊びが広がりました。

そして、自分で始め、自分で終わるが出来るようにもなりました。

遊びを見つけることができない、苦手だと、こちらから働きかける事もなければ、きっと走りまわる遊びから発展したり広がる事はなかなかできなかったのではないかと思います。

「遊びを見つける」ことは、周りの大人の関わりや働きかけ、サポートが必要だと言うことです。

お子様にとって「遊び」は発達や成長の為に大切な事です。遊びを通して様々な事を学ぶのです。

「遊び」も大切な経験体験です。たくさんさせてあげましょう!