自分の気持ちや感情、わからなくて起こる問題。

「他人や相手の気持ちや感情を理解することができない」

自閉症やアスペルガー症候群などの発達障害の人が、特徴はよく知られていますが、

中には自分の気持ちや感情を認知することができないこともあります。

「○○は楽しかった?」と聞いても、「楽しかった」とは返すものの具体的に何が楽しかったかは返答がなかったりします。単純に言葉でのやり取りの問題以外にも、自分の思った気持ちや感情を理解することができないためかも知れません。

発達障害の子供が自分の気持ちや感情を理解するのが難しいのには、その子の特性などから様々な理由が考えられます。

◎気持ちの意味を理解していない

自分の行動として「楽しい」「怒る」「悲しい」等があったとしても、それぞれ別の感情で、意味を持った気持ちだということを認識しておらず、基本的な喜怒哀楽を理解していないことがあります。

◎感覚鈍麻(感覚の鈍さ)

外部から受けた情報を受け取るのが鈍くなってしまうため、感情の理解などにも影響が出ている場合もあります。

◎社会経験不足

自分の気持ちや感情は、対人関係やコミュニケーションなどの社会経験から学ぶことも多いです。コミュニケーションを初めとした様々な社会経験が少ないため、自分の気持ちや感情を意識する機会が少ないことも考えられます。

◎パニックやフラッシュバックに繋がる

不安や怒り等、府の感情をモヤモヤと感じていても、その時は気がつかなかったり気にしていなかったり・・・それが何かのタイミングで自分の感情に気がつき、急に癇癪を起して怒り出したり溜まってしまった気持ちを受け止めきれずにパニックになる事もあります。

◎相手の気持ちが理解できない

相手の気持ちや感情を感じ取ることや、相手の思っている状況を理解することが苦手です。

これは相手の会話の内容や、表情、仕草などから相手の気持ちを理解することが難しい場合と、自分の感情がわからないため相手の気持ちに共感することができないということが考えられます。

◎コミュニケーションがとりにくい

自分の感情や気持ちを感じ取ることができないと、相手の状況の共感を得ることが難しく、場にあった会話や表情、行動をとることができなくなります。

◎感情と表情や行動が一致しない

感情を感じることが難しいため、苦しい時や辛い場面でも無表情や笑顔を浮かべていたり、逆に楽しい場面でも真面目な顔やしかめっ面をしてしまうということがあります。

気持ちと表情が一致しないと円滑なコミュニケーションをとるのが難しくなったり、本人の調子が悪いときでも周囲の人が気づいてあげることができなくなる場合もあります。

◎体の不調につながる

自分の気持ちが自覚できないために、不安や苦しみなどの感情が分からず心身が悲鳴を上げていてもキャッチできないことがあります。

本来ならば休息すべき部分でも休むことをしないため、結果として疲労などから体や心を壊してしまうこともあります。

なお、感覚鈍麻(感覚の受け取りが極度に鈍い状態)の特徴を持っていると、体の痛みや疲れ、暑さや寒さなどの感覚を正確に受け取ることができないため、より注意が必要になります。

自分の気持ちや感情が認知できないお子様には、周りの大人がその都度気持ちを代弁し、一緒に確認していくとよいでしょう。大人と一緒にその時の気持ちを確認することで徐々に自分の気持ちや感情の理解に繋がっていきます。

自分の気持ちや感情を意識できるようになると、ストレスでのイライラやパニックなどを起こす事も少なくなります。

どんなことでもそうですが、たくさんの経験を繰り返し積み重ねていくことで、理解し、できるようになることもたくさんあります。お子様が心地よく過ごせる環境やこれから起こる出来事に困らないように、たくさんの経験をさせてあげましょう!