お子様のご相談の中で、よく耳にするのが「じっとしていられないんです」「集中力がなくてすぐ飽きちゃうんですよ」です。
お子様の集中力って長くても10分~20分。年齢によって違いますが、幼稚園や保育園の幼児クラスでの活動、机に向かう製作活動などは15分~20分程度で終わるものを取り入れるようにしています。(就学に向けて学校での授業に慣れるよう切り替えていきます)その程度集中する事ができれば十分だと思います。
しかし、その時間でも机に向かっていられない、飽きてしまう、じっとしていられないという場合の原因について考えられます。
- 周囲の環境が騒がしい
お子様は大人より周囲の環境に過敏です。集中して物事に取り組ませたい時は、テレビやスマホの音、騒いでいる声等が出来るだけ少ない状態にするとよいかもしれません。
- 行っている活動(勉強等)のやり方や興味が持てない為、なんとなくやっている。飽きてしまう。
幼稚園や保育園等で活動を始めた時、先生が話している事が理解できなかったり、やり方がわからなかったりするとやる気がなくなったりしてしまいます。勉強だと必要性がわからないまま言われるからやっているというお子様だ、どうしても集中力が途切れてしまいます。
お子様がどれぐらい理解できているか、興味を持って取り組めているかを周りの大人が理解し、導いてあげる事も大切だと思います。
- 精神的な問題で集中できない。
とても繊細なお子様だと、ものすごく心配性だったり、失敗するのが嫌だからできない・・・等の不安から集中できなくなったしまったり、学校に通うお子様であれば、お友だちとの悩みや心配事を抱えているなんて事も考えられます。お子様の様子を見ながら、不安や心配を取り除く精神面のケアもしていけたらいいですね。
お子様の姿を思い出して見てください。お子様が好きな遊びをしている時は、長い時間、同じことを何度も繰り返して楽しんでいませんか?集中していませんか?
つまり、お子様に集中力を身につけさせるには、好きな事をとことんやらせてあげることです。
そして集中力が続かない原因を取り除いていくことで、更に集中力を高めることができると思います。
①周りに気になるものや音などがない環境を作る。
目に入る所にはその時必要なものだけを準備するようにするといいです。周りにおもちゃ等気になってしまうものがあれば、無地の布などで覆い隠したりするといいかもしれません。
②先の見通しを持てるようにする。(ルーティンを決める)
ご飯を食べたら、これをする等、流れを作り毎回行うことを習慣づけるといいです。次の見通しが持てると、目の前の物事を済まそうと集中できるかもしれません。
③時間を決める
タイマーや時計の針等、視覚や聴覚で分かりやすいもので、終わりを明確にしておくと、その間は集中しやすくなります。また、目標時間の設定をするのもよいと思います。
④休憩を取る
お子様の集中は15分~20分。合間で休憩を入れたり、体を動かす等、別の活動をする等して取り組むと気持ちを切り替えて取り組むことができ、そのサイクルを繰り返すことで達成感や意欲にも繋がります。
保育園では、発達が気になるお子様だけでなく、3歳児という年齢のお子様は、活動に集中できる時間も短く、特に指先を使う製作活動に、集中の電池が切れたり、途中でウロウロしてしまうなんてお子様もいます。
そこで、『なぜ集中できないか』を考えてみる事にしました。
・お部屋の環境づくり
子どもたちが自由に遊びを楽しめる空間つくりを目指し、コーナー遊びを充実させていました。「自由に選択し、好きな遊びをじっくり楽しんでほしい」そんな思いで作った環境が、ふとした瞬間におもちゃが目に入りやすい環境にしてしまっていたのです!
そこで、活動を行うときは、段ボールの衝立や白い布でおもちゃのある場所を隠す事にしました。
・課題が難しくないか?
手指の不器用さがあるお子様には難しくないか?年齢に合った活動か?そこだけでなく、指示の理解ができているか?という所に気がつきました。
結果、集団での一斉指示での活動ではなく、グループごと少人数で指示を出すようにしました。
・苦手な活動なので飽きたりやりたくなくなる・・・その気持ちをどうするか?
どうしても苦手なお子様もいますが、そのお子様の気持ちに寄り添えているのかと考えました。
「できない」と思っているから楽しくないのだと思い、一緒にやる、出来る所はとことん認め褒める事に気をつけるようにしました。そして、「ここまで」「時計の針がここまで」等目に見える形で終わりを決めるようにしました。
なにより、「どうしてもやりたくない」そんな時はその気持ちを受け止めることも大切にしました。
少しずつ、子どもたちは成長と共に、「ここまでは頑張る」などと自分でしっかり集中する力を身に付けていきました。もちろんお子様にも個人差があり、簡単に集中力がつくわけではありません。
少しの時間でも集中して取り組めるようになる為のサポートを周りの大人がしてあげる事が大切だと思います。
ご家庭では、食事の時間に座って食べられない、遊び食べになってしまう等もよくお聞きしますが、食事に集中できる環境を作り、
・時間も短くし、ダラダラ食べさせない。遊び出したら片付ける。
・食べ終わったら〇〇をする、デザートがある等先の見通しを知らせる。
周りの大人もメリハリをつけて関わるようにしていきたいですね。